ガンプラなどの模型のパール塗装とは

パール塗装といえば一般的には車ですね。しかし、今回は模型のパール塗装について話をさせていただきます。

パール塗装とは「雲母(マイカ)」を粉砕して微細な粒子の表面に「二酸化チタン」をコーティングすることで反射性を持たせた顔料(粉)に、クリアー塗料と薄め液を混ぜ合わせてできた「パール塗料」をパーツに塗装すること。

パール塗料だから「真珠(パール)」を粉砕した塗料を吹いているのでは?

大きな間違いです。

パール塗料は雲母(英語名:マイカ)が原料となっています。

有名なセリアのミラーネイルをみてみましょう。

2枚目の丸の部分に「マイカ」と書いていますね。マイカは英語名で日本語名は雲母です。よくミラーネイルを「マジョーラーカラー」っぽいといわれる人がいますが、全然違うもので、マジョーラカラーは日本ペイント産の商標で一般的には「クロマフレア」という塗料になります。

ミラーネイルについて詳しく知りたい方はこちら↓

クロマフレアについて知りたい方はこちら↓

ちなみに、パール塗装について詳しく知りたい場合はこちらの記事を読んだ方が10,000倍ためになります。

ガンプラなどの模型にパール塗装をする5つの理由

5つの理由は先ほど書いたとおりです。

パール塗装をする5つの理由

・下地を活かして塗装できる
・グラデーションを滑らかにできる
・グラデーションしているのにメタリック調にできる
・ホワイトパールは真珠のような質感を出せる
・安価で2色偏光の塗装ができる

それぞれについて説明しましょう。

パール塗装は下地を活かした塗装ができる

メタリック塗装にはなくパール塗装でしかできない特性。

メタリック塗料の特性

メタリック塗料は容赦なく下地を隠します。

ガイアノーツさんのプライマリーメタリックのテストピースはこのようになります。

ちょっとトランザムレッドパールが混じっているので一番下は無視してください。

インテンザもパール塗料なので無視してください。

見ていただいた通り、メタリック塗料であるガイアノーツプライマリーメタリックは、下地の色に関係なく同じように発色します。

下のPIGMENTインテンザとトランザムレッドパールはパール塗料なので下地の影響を受けています。

混色できて便利なプライマリーメタリックについて詳しく知りたい方はこちら↓

顔料着色系パール塗料の特性

顔料着色系パール塗料の雲母堂本舗さんのCCパールはこのようになります。

一番上のビスマスパールはまた特殊なパールなので無視してください。

このように下地の影響を受けています。

CCパールは「顔料着色系パール」なので、色の3原色(マゼンタ・シアン・イエロー)の原理で全部混ぜると「黒」になります。

虹彩色パールの特性

虹彩色パールで一番有名なのはクレオスさんのクリスタルカラーでしょう。

クレオスさんから出ているクリスタルカラーのテストピースはこちら。

黒が一番発色して、白になると光が弱くなります。

そのため、同系色に塗装してもなかなかパール感が出にくい厄介なやつなんです。こちらは光の三原色(R:レッド、G:グリーン、B:ブルー)で混ぜると白になります。

クリスタルカラーは手軽に使えて、ちゃんと使うとパール感は出るのですが、皆さん苦戦するパール塗料です。

このクリスタルカラーについて詳しく知りたい方はこちらを見てください。

ちなみに全色を混ぜた実験もしています。

パール塗装の透けの効果を最大限に利用した「トランザム」の表現にパール塗料は最適

下地を透過させる効果を活かして「ガンダムOOのトランザム」を表現できる。

こんな感じで下記の動画のようにトランザムを表現することができます。

動画サイズ(13MB)23秒の動画。

写真ではこちら。

写真ではわかりにくいのですが、トランザムや何かしらのオーラをまとった感じの作品を作りたいときには、下地を活かしたパール塗装が役に立ちます。

この作品はすべて最初に赤を塗って、グラデーションで外側に赤を残しつつ、白や青や黄色を塗りました。

白色にはクリスタルカラーのルビーレッド、その他の色にはCCパールのPCレッドを塗っています。

青色にレッドパールが塗装されることで、青色を残しつつ赤色のメタリック表現をすることができています。

下地を活かす

これがパール塗装の醍醐味です。