初代さんのデカール理論をまとめる
初代さんがデカールについてツイッターで発言されていて、これがすごくためになるのでまとめさせていただきます。
デカールとトップコートの関係についての誤解
どうもですね、デカールとトップコートの関係についての誤解が広がってるようなので、僭越ながら。
— 初代@いやはや今月も相当キッツい!(笑) (@cv09essex) March 17, 2021
クリアコートはデカールと塗面の艶の差を無くすだけで、シルバの軽減も、保護も、貼付力向上も一切関係ないものですよ?
艶有り面に貼る場合はこちらを。https://t.co/JdtDLj2294#教えて初代さん
トップコートでデカールを守っているから、大丈夫って思っていたよ!!
大判のデカールを貼る際の注意点
大判デカールを貼る際の注意点をツイートして頂けております。
①
— 初代@いやはや今月も相当キッツい!(笑) (@cv09essex) April 3, 2021
昨日の『角を含む大面積の場合のデカールの貼り方』
に関してです。
何かやたらな学成っちゃたんですが、関係が微妙な話も多いので(笑)適当に飛ばしてご覧下さい。
写真、イラストも流用が多くて恐縮です。#教えて初代さん https://t.co/J7CkPCOY14
②
— 初代@いやはや今月も相当キッツい!(笑) (@cv09essex) April 3, 2021
ええと前説です(笑)
先日、YouTubeやらここやらで、デカールを貼付する際は、台紙とニス(デカール本体の透明なフィルム)を固着させている澱粉糊分を徹底的に洗って排除し、必要な成分だけで貼るようにするのがま
ず肝要というお話をしましたね。#教えて初代さん pic.twitter.com/BGGAXaTXuf
でんぷんのりをしっかり洗い流さないといけないんですね♪
③
— 初代@いやはや今月も相当キッツい!(笑) (@cv09essex) April 3, 2021
で、実際に使用する接着的成分は、ビニル自体を軟化させるソフターのテトラヒドロフランと、セッターの木工ボンド的ビニル接着剤(テトラヒドロフランも入っていますが)。
この2種を効果的に使い分け、艶有り面からつや消し面、特殊な凹凸まで自在に貼れる!
と言うお話でした。#教えて初代さん pic.twitter.com/gLY6Pimh0e
マークソフターには接着成分がはいってないのよね♪
(時系列で見ましたが④は見つかりませんでした)
⑤
— 初代@いやはや今月も相当キッツい!(笑) (@cv09essex) April 3, 2021
一つはニス自体を溶かして軟化させ、塗膜とニスを溶着風に密着させるグロス面専用の『マークソフター』使用貼付。
もう一つが、乾くと透明になる木工用ボンド的な特性を利用し、つや消しのザラザラ面を透明パテのように埋めてしまう『マークセッター』を使用の強引接着貼付。#教えて初代さん pic.twitter.com/jPxd30WUbS
マークソフターはグロス面に使えるのね、てっきりセッターしか使えないって思ってた!!
⑥
— 初代@いやはや今月も相当キッツい!(笑) (@cv09essex) April 3, 2021
この2種の貼付法はソフターとセッターの成分の違いを利用した、艶有り面用、艶消し面用という大雑把な分類。
しかし、貼付面が極端に凸凹であったり、鋭角な折れを含む場合などですと、艶の有無だけで分けられた上記2種の貼付方法だけでは対応出来ないケースも頻繁に見られます。#教えて初代さん pic.twitter.com/JrhAxJiKQw
この記事で説明しているやり方だね
グロス面は「マークソフター」、つや消し面は「マークセッター」勉強になるね♪
⑦
— 初代@いやはや今月も相当キッツい!(笑) (@cv09essex) April 3, 2021
例えばご質問の様な2段折れのケース。
ご質問者の方も検分されてる通り、上下が先に貼れてしまい、必要部分にテンションが掛けられず、全体が密着出来なくなる。
この逆折れ部分だけを大きく延ばさないと貼れなくなって極めて危険且つ難しく、図柄的にもマズいです。#教えて初代さん pic.twitter.com/jJtVa7SxMW
こういう形状って難しいのね・・・
⑧
— 初代@いやはや今月も相当キッツい!(笑) (@cv09essex) April 3, 2021
こういった多くの屈曲点を持つケースでは、セッターの第2の能力である乾くとベタベタしてくるボンド的特性と、軟化はさせるが粘着性は一切持たないソフターの特性を別個に両方利用する必要があります。
正直楽なケースではありませんが考えてみましょう。#教えて初代さん pic.twitter.com/zvlJ7ALwVD
合わせ技ですね♪
⑨
— 初代@いやはや今月も相当キッツい!(笑) (@cv09essex) April 3, 2021
具体的には、まず逆折れ部分を先に貼ってしまいたい。
そしてこの部分自体には、大きく延ばしたり、押し込んだりという強軟化要求は比較的低そうです。
なので先ずはこの折れ窪み部分に軟化力は低目のセッターを少量塗布、ここだけある程度密着させる様にしばらく置きましょう。#教えて初代さん pic.twitter.com/6J7bZrnbKH
焦ったら負けなのね・・・
⑩
— 初代@いやはや今月も相当キッツい!(笑) (@cv09essex) April 3, 2021
この際、ご懸念だった上下角部分、或はそれ以上、それ以下の平面部のくっつきが気になる場合は、浮かせておく、或は少々水を差すなどの安全措置を講ずるのも一法ですが、僅か数分の話なので、恐らく問題は起きないとものと推定されます。
現場の状況次第で調整して下さい。#教えて初代さん pic.twitter.com/Q6LRMIvl8D
角だけつけた状態で、浮いているところには水を入れておくんですね
⑪
— 初代@いやはや今月も相当キッツい!(笑) (@cv09essex) April 3, 2021
恐らく5分程度で、角に密着出来るレベルには軟化しますので、ここでキッチリ余分なセッターを綿棒などで押し出しましょう。
セッターの軟化力では綿棒で押して破れるほどには軟化しませんから、とにかくしっかり、特に角の折れ線の部分が密着する様に押し出します。#教えて初代さん pic.twitter.com/9zHrPicQZw
めちゃくちゃわかりやすい、でもぼくは5分を待てるだろうか!!
ばっかじゃないの!!まちなさい、っていわれているんだから、ちゃんと待ちなさいよ!!
⑫
— 初代@いやはや今月も相当キッツい!(笑) (@cv09essex) April 3, 2021
そうこうしてる間にセッターが乾き始め、ベタつきが生じます。
これが正に狙った効果で、このベタつきを利用しシールの要領で折れ角をしっかり密着させます。
この時点で既にセッター乾燥度は5割程度まで進んでいますから、更に数分おく程度でおいそれとは動かなくなるはずです。#教えて初代さん pic.twitter.com/jWxOEzT4mt
慣れがいる作業なのね♪
⑬
— 初代@いやはや今月も相当キッツい!(笑) (@cv09essex) April 3, 2021
そして第2弾として残りの上下部分、塗面との間に少量の追いソフター。ここはセッターでは無く、ソフターがお薦め。
逆のようですが、接着剤成分が入ったセッターより、軟化成分のみのソフターの方がグロス面接着力は遙かに高いのです(ご参照下さいhttps://t.co/JdtDLj2294)#教えて初代さん pic.twitter.com/GXL9n26rvQ
今更ながら気づいたけど、このデカールを貼る面は「グロス面」の話だったのね♪
⑭
— 初代@いやはや今月も相当キッツい!(笑) (@cv09essex) April 3, 2021
ちなみに、今回はご質問に『痛車の~』と有りましたので、基本的にツヤのある面を前提として解説しております。
『つや消しの場合はどうすんじゃ!』的な件がもし御座いましたら、また別途御申し出下さい、少々面倒にはなりますが、それはそれで対応可能です。#教えて初代さん pic.twitter.com/tpWd7N7XgZ
つや消しの場合も質問したら教えてくれるって、プロモデラーさんなのに、すごく優しい♪
⑮
— 初代@いやはや今月も相当キッツい!(笑) (@cv09essex) April 3, 2021
で、追いソフターの際『せっかく乾きかけた角のセッターがまた溶けちゃうじゃないか』とご心配でしょうが、そんな事は起きません。
何故なら「セッターは木工用ボンド的樹脂接着剤」とお話ししましたね?
木工用ボンドは水溶性ですが、1度乾くと水では再熔解しませんでしょ?#教えて初代さん pic.twitter.com/EIaQ2doZ4o
理論的な説明って好き♪
⑯
— 初代@いやはや今月も相当キッツい!(笑) (@cv09essex) April 3, 2021
これは木工用ボンドが水性塗料と同じ、エマルジョンタイプだからです。
エマルジョンタイプとは、水中に樹脂+有機溶剤の粒々が細かい粒状になって混ざっている物。いわゆる水中油滴型エマルジョン、言ってみれば牛乳と同じです。#教えて初代さん pic.twitter.com/TNsNnTqqtf
「乳化」してるってことですね♪
なんでパールくんの話は「知ったかぶり」にしかみえなんだろう?
えぇぇぇ、そりゃないよ・・・
⑰
— 初代@いやはや今月も相当キッツい!(笑) (@cv09essex) April 3, 2021
界面活性力によって、油の粒が水中に混ざる状態(逆もです)がエマルジョン。
塗布後、まずは水分が気化して粒々が直接空気に触れる。
次に粒内部の溶剤が気化してラッカーと同じ気化乾燥が起きる。
最終的に乾燥した樹脂分は水では無く、溶剤でしか溶けない、と言う理屈ですね。#教えて初代さん pic.twitter.com/LKnTlS8n9n
だから、マークセッターは水では溶けない状態になっているから、水を入れても問題ないってことなんですね♪
⑱
— 初代@いやはや今月も相当キッツい!(笑) (@cv09essex) April 3, 2021
概ね、白く濁っていながら乾燥後透明になるタイプは全てエマルジョン。
白く濁ったソフターも同様なので、1度乾燥してしまうともう水分では溶けません。なので乾燥後のはみ出しなども水では溶かせないため、貼付時は少々注意が必要、となる次第。#教えて初代さん pic.twitter.com/PXNbT1jHnx
むかし、木工用ボンドを固めて遊んだよね
⑲
— 初代@いやはや今月も相当キッツい!(笑) (@cv09essex) April 3, 2021
ですからこのケースでも、1度乾燥硬化し始めた角部分に再びソフターが付着しても、おいそれと浮いたりはしないわけです。
と長々説明してる間に角部分はもうしっかり貼れてしまっている状態、そして追いソフターをした上下部分ももう十分軟化している頃合いですね。#教えて初代さん pic.twitter.com/2DZRCjwZ3L
このツイートを読んでいる間に、ちょうどいい時間になっていることまで計算しているって、すごい!!
⑳
— 初代@いやはや今月も相当キッツい!(笑) (@cv09essex) April 3, 2021
既にしっかり固着している折れ角部分を起点として、各々上方向、下方向に麺棒を転がして(軟化しているので決して擦ってはいけません)余分なソフターを排除します。
この上下部分に関してはソフターだけを使い、軟化させることで溶着させようという考え方ですね。#教えて初代さん pic.twitter.com/RB7lnxHONL
今度から綿棒使わなきゃだめですね♪
㉑
— 初代@いやはや今月も相当キッツい!(笑) (@cv09essex) April 3, 2021
その方が仕上がり、貼付強度など各段に高くなるためなんですが、更に軟化を促すべく、ソフターを完全には排出せず、シワや弛みがでない程度に留め、残りは自然乾燥に任せて下さい。
特に上下角部分に弛みが残らないよう留意し、角から外へと伸ばす様上手くしつけるのがコツです。#教えて初代さん pic.twitter.com/gf5SjVXPhE
わかっていると思いますが、「ななふん」乾燥させるのではなく、「7割くらい乾燥させる」っていみですからねー
㉒
— 初代@いやはや今月も相当キッツい!(笑) (@cv09essex) April 3, 2021
そしてソフター分が9分乾燥時点まで放置の後、今度は綿棒で擦るようにしっかりと押さえます。小皺、小気泡処理などはこの時が最終タイミング、丁寧且つ念入りに行なって下さい。
更に1時間程度もすると完全に乾燥固着しますので、これにて完成となります♪#教えて初代さん pic.twitter.com/zhdTtoQKCE
これは大判デカールを貼る前に知りたかったなー><
㉓
— 初代@いやはや今月も相当キッツい!(笑) (@cv09essex) April 3, 2021
痛車の完成見本でもあれば良かったのですが、さすがに写真が御座いませんので、最近の作例中では最もデカール貼付面積の大きなシェンジョウをご覧下さい。
そこそこ角や凹凸のあるグロス塗面で、表面積の90%以上がデカール、機銃部を除けば塗装は銀一色だけです。#教えて初代さん pic.twitter.com/DQPZrle1Jh
参考になりました♪
ありがとうございます♪
ありがとうございます♪
ちなみに古くなったデカールを水性ニスで復活する方法も書いています。
古い水転写デカールを、水につけて、ピンセットでもって・・・。砕け散る・・・。そんな悲しい思いをしなくて済む方法を伝授します。